3日~4日に1件、医療事故・医療過誤から訴訟に(2)
歯科医療で発生しやすい事故は多く、多額の損害賠償を請求されるケースも多い。
また、こんなことで訴えられるという例を2つ紹介します。
東京都内の女性(24)が、「矯正治療中に歯科医が適切な歯磨き指導をしなかったため虫歯になった」として、都内にある矯正歯科医院の歯科医2人に約410万円の損害賠償を求めて訴訟を起こしました。歯科医側は「十分に指導した。歯磨きで口内の衛生を保つのは本人の責任」と主張したが、裁判長は「『今まで通り歯磨きするように』と述べる程度の指導では不十分」と退け、「矯正治療中は虫歯になりやすいことを説明し、歯磨き指導をする義務がある。ブラッシングを丹念にするよう十分指導すれば虫歯の発生は防止できた」と歯科医の責任を認めた。そして、判決で東京地裁は、55万円の支払いを命じています。
また、歯科医の過失と後遺症の因果関係は認められなくても敗訴した例。歯痛の治療で麻酔を注射され、抜歯されたことで脳梗塞になったと、宮城県石巻市の男性(45)が歯科医に約3400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は2009年3月12日、歯科医に500万円の支払いを命じた。裁判長は「麻酔による意識障害が疑われる症状があり、脳疾患の予見が可能だった。速やかに診断せず、専門医に転医しなかった過失がある」と判断。過失と後遺症の因果関係は否定したが、「後遺症が生じなかった可能性はあり、精神的苦痛を被った」と慰謝料を認容しました。
歯科医の医事訴訟事例
歯科医療で発生しやすい事故(対患者)
注射エラー(麻酔による事故):神経性ショックなどのトラブルや、麻酔薬の投与量による事故
根管治療時に器具(リーマー、ファイル等)の破折及び誤飲
歯冠修復物(インレー、クラウン等)の誤飲
抜歯時の偶発性
部位誤認
治療終了後の口唇、頬粘膜の咬傷
エアータービン、エアーシリンジによる気腫の発生
歯内療法用薬物による傷害
